かつて戦争が剣や槍で戦うものだった時代には
「人を殺した事の罪悪感」
「敵を貫いた剣や槍を通して伝わってくる息絶えた敵兵の 重さの心地悪さ」
などが書き綴られていたそうですが、銃が登場してからは 、
「敵を何人殺したか」
を自慢するような手紙が多くなった そうなのです。
15世紀前半に火縄銃が発明されて以降、銃は戦争と歴史 を共にしてきましたが、ほんの150年前に「ライフル」 が登場するまでは、弾がどこに当たるかわからない程度の 命中率でした。
しかし銃の進化とともに命中率も上がり、ライフルの登場 によって「狙い撃ち」ができるようになると状況は変わっ てきます。
「弾丸を装填する」「照準を定める」「引き金を引く」これらの手順を踏めば確実に敵兵を殺す事ができるように なったのです。
これは兵士達の嫌忌感を呼び起こし、大きなストレスになりました。
戦争といえども、平気で人を殺せる人間はそう多くないの です。
アメリカが行なった興味深い調査があります。
南北戦争の時、回収された27000丁のライフル銃のう ち、90%には弾が残っていたと言われています。
要するに、実は皆、あまり銃を撃っていないのです。
また、第二次世界大戦でのアメリカ軍においても、8割以 上の前線兵士が「敵に向かって発砲しなかった」という聞 き取り調査の結果が出ています。
弾を込めて、狙いを定めて、引き金を引く。
戦場でこの動作をしっかり行える人間は20%以下なのだ という、その事実はなかなか理解される事なく、銃の進化 は一人歩きします。
リチャード・J・ガトリングというアメリカの発明家は、
「一人で100人分の働きをする銃を作れば、兵士の数を 減らせるので、戦死者も大幅に減るだろう」
と考え「ガトリング砲」を開発しました。
これが製品化された初の「機関銃」です。
ガトリングの理想とは裏腹に、機関銃は「最凶の兵器」と しての道を歩んでいきます。
機関銃は、弾倉さえ装着すれば、弾丸を装填する動作を省 略できます。
引き金を引きっぱなしにしておけば自動的に弾が装填され 次から次に弾が出るので、狙いを定める必要もありません 。
「弾丸の装填」→必要ない「狙いを定める」→必要ない「引き金を引く」→引きっぱなし機関銃は、ライフルで人を撃つ際に嫌忌を感じる動作を全 てぶっ飛ばしてしまったのです。
そんな恐ろしい武器を初めて実戦で使用したのがイギリス 軍でした。
アフリカを舞台にした植民地戦争で、鬼畜イギリス軍は5 0名の兵士と4丁の機関銃で、迫り来るアフリカ原住民5 000名をミンチにしてみせたのです。
イギリス軍の損害はありませんでした。
ヨーロッパ諸国はこの戦果を「アフリカの原住民相手では 参考にならない」と一笑に付しましたが、日本はこの戦果 を重要視し、機関銃を取り入れた戦術を研究しました。
そしてついに近代国家同士の戦争に機関銃が投入される事 になったのが、「日露戦争」なのです。
日戦戦争で1000名だった日本軍の戦死者数は、日露戦争では9万人に膨れ上がっています。
その背景には「機関銃」の存在がある事でしょう。
日露戦争で各国が目の当たりにした「機関銃の威力」は間 違いなく戦争の在り方を変えました。
そして機関銃に対抗するために戦車や航空機が発展して行 き、戦争の形は人と人が戦うものではなく、機械同士の無 機質なものになって行きました。
そしてその無機質な戦いは、想像を絶する大きな犠牲者数 を生み出していくことになるのです。
「弾丸を装填する」「照準を定める」「引き金を引く」これらの手順を踏めば確実に敵兵を殺す事ができるように
これは兵士達の嫌忌感を呼び起こし、大きなストレスになりました。
戦争といえども、平気で人を殺せる人間はそう多くないの
アメリカが行なった興味深い調査があります。
南北戦争の時、回収された27000丁のライフル銃のう
要するに、実は皆、あまり銃を撃っていないのです。
また、第二次世界大戦でのアメリカ軍においても、8割以
弾を込めて、狙いを定めて、引き金を引く。
戦場でこの動作をしっかり行える人間は20%以下なのだ
リチャード・J・ガトリングというアメリカの発明家は、
「一人で100人分の働きをする銃を作れば、兵士の数を
と考え「ガトリング砲」を開発しました。
これが製品化された初の「機関銃」です。
ガトリングの理想とは裏腹に、機関銃は「最凶の兵器」と
機関銃は、弾倉さえ装着すれば、弾丸を装填する動作を省
引き金を引きっぱなしにしておけば自動的に弾が装填され
「弾丸の装填」→必要ない「狙いを定める」→必要ない「引き金を引く」→引きっぱなし機関銃は、ライフルで人を撃つ際に嫌忌を感じる動作を全
そんな恐ろしい武器を初めて実戦で使用したのがイギリス
アフリカを舞台にした植民地戦争で、鬼畜イギリス軍は5
イギリス軍の損害はありませんでした。
ヨーロッパ諸国はこの戦果を「アフリカの原住民相手では
そしてついに近代国家同士の戦争に機関銃が投入される事
日戦戦争で1000名だった日本軍の戦死者数は、日露戦争では9万人に膨れ上がっています。
その背景には「機関銃」の存在がある事でしょう。
日露戦争で各国が目の当たりにした「機関銃の威力」は間
そして機関銃に対抗するために戦車や航空機が発展して行
そしてその無機質な戦いは、想像を絶する大きな犠牲者数